浄土真宗について

お焼香は香りのお供え

あるご門徒さんのご法事にて。
皆様とお経をいただく前に、お焼香をしていただこうと、お焼香盆を皆様に渡そうとしました。
すると、参拝者のお一人より「あのーこれは、100円を入れれば良いのですね?」との声。
確かに、お寺などでお焼香する機会がありますと、お焼香をした後に、浄財を浄財箱に入れる事があります。
ですから、お焼香と浄財とを、セットで考えていただくのは、ごもっともですが。
お焼香という行いが、100円を入れるやつという内容になってしまうと、話の筋が交ざり、おかしい話になってしまいます。
お焼香とは、供香ともいい、香りのお供えです。
阿弥陀様、仏となられた皆様に、敬いを持って香りのお供えをさせていただくものとして存在します。

お焼香の回数

お焼香は、香りのお供えです。
阿弥陀様、仏となられた皆様に、敬いを持って香りのお供えをさせていただくものです。
その回数に、決まりはありません。
とはいえ、仏事に参拝するときに、お焼香をするときには、一応の作法があります。
1、 御仏前にて、軽く一礼。
2、 香炉の前に、一歩進み。
3、 香盒(こうごう)のふたを取り中よりお香をひとつまみ取り上げ。
4、 (いただかずに)香炉の中の火種の上に乗せる。
5、 香りをお供えしたら、手を合わせて「なもあみだぶつ」とお称えし、頭を下げる。
6、 姿勢を戻したら、二、三歩下がり、御仏前にて一礼し席に戻る。

線香は横に

お焼香は、香りのお供えです。
阿弥陀様、仏となられた皆様に、敬いを持って香りのお供えをさせていただくものです。
そのお香を固めて、棒状にしたものが、線香です。
この線香を、立ててお供えされている宗派のお寺も、あるようですが。
浄土真宗の場合は、願いを込めたりする事もなく、ただ敬いを持って香りをお供えするだけですので、
線香も立てずに横にして、香炉に置いて、香りをお供えします。
線香が長いようであれば、香炉の大きさに合う長さに折ってから、お供えします。

写真を飾る

先往きし皆様は、光り輝くおさとりのいのち仏様となられて、私たちを見守り、お導き下さっておられます。
その仏様のお話は、お寺などの法要にお参りをし、ご法話を聞いて、理解を深めていただくものと思いますが。
お仏壇で申しますと、お仏壇の中心におかけされた、絵像や六字名号、または金色の輝きをもって、阿弥陀様、仏となられた皆様は示されております。
ですから、ときどき「お仏壇の中に、写真を置いてもいいですか?」と質問される事がありますが、私は「本来は、置く必要はありません」とお答えします。
とはいえ、写真がないと寂しいと感じるのも、人情です。
置かれたいと思われる場合は、お仏壇の中心をはずした、近くに置いたらいかがでしょうか。

お酒をお供えする

夏の暑い日に、冷たいビールを飲めば、とってもおいしいと感じるでしょう。
または、冬の寒い日に、あたたまった日本酒を飲んで、喜ばれる方もおられるでしょう。
しかし、そう感じれるお酒も、飲んで酔っ払いますと、喜びだけでなく、辛い話もついてくる事があります。
例えば、人に嫌な思いをさせたり、ケガをしたり、ケンカが起こったり、体調不良になったり・・・。
私も他人事ではなく、耳が痛い話です。
こういった話は、娑婆の話、迷いの境涯の話であり、おさとりの仏様の話ではありません。
そもそも、おさとりの仏様の世界は、清浄なる世界と示されます。
お酒がない世界、もっといえばお酒を飲みたいとも思わない世界ということです。
そう教わりますと、ときどき「お墓やお仏壇に、お酒をお供えしなければいけませんか?」と質問される事がありますが、
私は「お浄土に生まれ、光り輝くおさとりのいのち仏様となられたのですから、もう必要はありません」とお答えしています。